2019/11/8更新

2019年度 第4回福島リサーチカンファレンス(FRC)

原子力施設における遠隔技術

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 楢葉遠隔技術開発センターでは、令和元年10月23日(水)と24日(木)に、令和元年度第4回福島リサーチカンファレンス(FRC)として、「原子力施設における遠隔技術」を開催しました。

 福島第一原子力発電所(1F)の廃炉作業や災害時の緊急対応などを代表例として、原子力施設においてロボット等の遠隔技術は欠かせないものとなっています。また、近年、計測技術の発展やコンピュータの高性能化、小型化を背景にロボット技術はめざましく進歩しています。一方で、そのようなロボット技術を原子力施設に適用するには未だ多くの技術的課題があり、加えて整備、訓練、使用などの運用上の課題もあります。また、1Fの廃炉作業はもちろん災害対応などは類似の事例が少ないため、技術的な専門家らや運用上の知見を持つ人たちとの間で意見情報の交換を密にすることが重要となります。

 本カンファレンスでは初日の10月23日(水)に、国内外の原子力施設に関連するロボットの有識者が、その取り組みや研究成果の紹介を行いました。1Fで活躍するロボットの現状と今後の課題に始まり、韓国における原子力施設のためのロボット開発に加えて原子力以外の分野の産業等への適用について紹介されました。また、仏国の原子力災害対応のためのロボットを運用する組織についての紹介があり、設備の性能や訓練方法について関心がよせられました。また、ポスター発表にて若手を中心に研究の成果を報告し、シニアとの質疑を通じて交流を深めました。

 2日目の10月24日(木)は、国内外のロボットの専門家で1Fの見学を行いました。参加者からはロボットを整備運用するために、1F廃炉の現場を見ることは重要かつ貴重であり大変参考になったとの意見が述べられるとともに、これまでの復興の努力を讃える旨メッセージが寄せられました。

 本カンファレンスを通して国内外の知見を共有するとともに、今後も協力を継続することが呼びかけられ、より安全で確実な廃炉や原子力災害対応ができる将来につながる取り組みとなりました。

 参加者は、海外から5名(仏国2名、韓国1名、米国1名、英国1名)、国内から35名(大学、企業、IRID、原子力機構、など)、最終的には、40名となり盛況でした。

  • 集合写真
  • 機材について議論する参加者
  • ポスター発表

開催概要

福島第一原子力発電所の廃止措置、災害時緊急対応等、原子力施設においてロボット等遠隔技術は欠かせないものとなっています。そこで、「原子力施設における遠隔技術」について、国内外の研究者が最新の知見に関する意見交換を行い、今後の研究開発の促進を図るため、国際カンファレンスを開催します。

日時 令和元年10月23日(水)~24日(木)
※ 公開講演:10月23日(水)10時30分~16時45分(受付開始9時30分)
場所 JAEA楢葉遠隔技術開発センター 研究管理棟 3階多目的室
〒979-0513 福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字仲丸1-22
主なテーマ ・福島第一原子力発電所廃止措置の取組みや知見
・廃止措置に適用可能な遠隔操作技術、遠隔計測技術
・原子力災害緊急時対応における遠隔操作技術、遠隔計測技術
・シミュレーションや仮想化技術を含む操作訓練・試験法
招待講演 ・淺間 一 教授 (東京大学, 日本)
 講演タイトル:“Remote Technology for Decommissioning and Its Expansion
         to Other Application”

・Mr. Philippe Kessler (Groupe INTRA, France)
 講演タイトル:“Presentation of the INTRA Group”

・Dr. Ji Sup Yoon (Korea Atomic Energy Research Institute, South Korea)
 講演タイトル:“Research Activities of Nuclear Emergency Responsive
         Robots at KAERI”
プログラム 公開講演プログラム
アクセス こちら
開始、終了の時刻にあわせて楢葉遠隔技術開発センター・最寄駅(JR木戸駅)間の送迎バスを用意いたしますので、ご利用ください。

※ JR常磐線 いわき駅9:22発 -> 木戸駅9:49着
  往路:JR木戸駅9:55発 -> 楢葉センター10:10着
  復路:楢葉センター 16:55発 -> JR木戸駅 17:10着
※ JR常磐線 木戸駅17:15発 -> いわき駅17:46着

※昼食について
 近隣に飲食店は限られます。お弁当をご持参するか又は参加登録時にお弁当をご注文くだ
 さい。なお、お弁当代は有料(350円)となります。
使用言語 英語
参加登録(参加費無料) ポスター発表および参加には事前の申込みが必要となります。こちらの登録フォームに必要事項を記載頂き、以下の件名、アドレスにご転送ください。
  件名: registration
  E-mail:

参加登録期限: 10月9日(水)
なお、申し込みにつきましては先着順で受け付け、会場の収容人員(120名)に達し次第終了とさせていただきます。
ポスター発表の募集(無料) 本カンファレンスでは、原子力施設の廃止措置および災害対応に適用可能なロボット等遠隔技術に関する研究開発や事例等の情報共有と、技術者間の交流を目的としてポスター発表を開催いたします。

・内容
 A0縦サイズが貼付可能なボードを用意します。また、要旨(A4 1ページ)のご提出をお願いいたします。

・ポスター発表登録方法
 参加登録よりご登録ください。

・要旨の提出
 要旨フォーマット:こちら
 投稿期限: 10月16日(水)
 提出方法: 以下の件名、メールアドレスにご送信ください
 ファイル容量: 20Mbyte以下
 件名: abstract submission
 E-mail:
お問い合わせ先 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
福島研究開発部門 福島研究開発拠点 楢葉遠隔技術開発センター
E-mail:

会場マップ