課題番号:デブリ-103
段階:Preparation
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象炉内状況把握
課題FPの状況把握

ニーズ

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① FPの性状を把握したい

望ましい状態とその理由

燃料デブリ取り出しのための除染燃料デブリ取り出し作業時の被ばくリスクを低減するためには、事故時に燃料から放出されて炉内に残留していると推定されるFPの化学挙動や基礎的物性、存在形態(遊離性・浸透性等)、FP核種の蒸気圧変化・雰囲気依存性等の情報が得られることが望ましい。
新たな事故の防止や周辺環境保全のためには、事故により放出された核種のうちガンマ線放出しない(あるいは放出しにくい)難測定核種による影響を把握することが望ましい。
FPの化学的性状は空気や水に触れている最表面からの深度依存性を把握することが望ましい。

理想と現状のギャップ/解決すべき課題

1号機に関して、数10~数100ミクロンのセシウム粒子がオペフロに散在していると考えられている。水和性のセシウム化合物は水酸化セシウムの形でコンクリート表面から内部に浸透した可能性がある。不溶性セシウム粒子が炉心加熱の初期段階に、酸化ケイ素と水酸化セシウムとの気相中凝固反応によって生成するが、生成量は2号機と比較して少ないと考えられている。
2号機に関して、水和性のセシウム化合物は水酸化セシウムの形でコンクリート表面から内部に浸透した可能性がある。粒子径数μm程度の不溶性セシウム粒子が2号機由来として環境中で確認されている。不溶性セシウム粒子が炉心加熱の初期に、酸化ケイ素と水酸化セシウムとの気相中凝固反応によって生成。生成量は限定的で10 kgのオーダーと推定されており、不溶性セシウム粒子の一部は、格納容器内、原子炉建屋内に残存している可能性がある。
3号機に関して、水和性のセシウム化合物は水酸化セシウムの形でコンクリート表面から内部に浸透した可能性がある。不溶性セシウム粒子が炉心加熱の初期段階に、酸化ケイ素と水酸化セシウムとの気相中凝固反応によって生成するが、生成量は2号機と比較して少ないと考えられている。
想定される主なセシウムの化学形態と特徴を踏まえ、PCV内部に留まっているFPの性状・量を把握することが今後の課題である。例えば遊離性のFPは、これまでに行われてきた注水により建屋内滞留水に流れている可能性が高いと考えられることから、コンクリート表面から内部に浸透しているFPや不溶性FPの炉内での現在の状態と、今後の取り出し期間中の性状推定が今後の課題となる。
燃料デブリ取り出し等の作業のためには除染等を行い、作業環境を改善する必要があるが、そのためには、特にインベントリが大きい部分(例えば1号機RCW系(原子炉補機冷却系)など)を見ることが重要となる。放射能量を推定できる技術があると有益である。たとえインベントリ把握とまでいかずとも、核種組成比の把握ができるだけでも有益である。
評価手法を用いない場合、実インベントリと比べて保守的に扱う必要があると考えられる。そのため、特に、解析と実測をセットとしたアプローチが求められる(理想形は全てを実測できることであるが、現実的ではなく困難であるため、解析との適切な組み合わせが求められる)。

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

H30年度英知放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献 [資料]
R1年度英知放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献 [資料]
R1年度英知放射線・化学生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣機構解明
廃炉・汚染水対策事業総合的な炉内状況把握の高度化(炉内状況の総合的な分析・評価、総合的な分析・評価に資する燃料デブリの挙動や核分裂生成物の挙動及び特性の推定・評価) [資料1] [資料2]

検討されている研究課題

特になし
② FPの分布状況を把握したい

望ましい状態とその理由

燃料デブリ取り出しを安全に行うためには、FPの炉内分布の推定に加え、炉内において特に高い放射線量の領域(ホットスポット)が形成される位置を予測・検知しておくことが望ましい。
効率的な除染の実施、廃棄物管理の観点から、事故時の汚染拡散メカニズムや核種移行シミュレーション等を実施することにより建屋内のFP分布状況を把握することが望ましい。
実機による調査により、解析による推定結果を補正し、実験等によりその再現性が確認できること、実際の環境の調査で得られているFPの情報との整合性を確認することで、事故原因の解明や炉内状況の推定ができることが望ましい。

理想と現状のギャップ/解決すべき課題

1号機に関しては、オペフロで水素爆発が発生したことから、事故時に放出されたFPは主に格納容器⇒格納容器トップヘッドフランジ⇒原子炉ウェル⇒シールドプラグ⇒オペフロに至る経路で放出されたものと想定されており、この経路上にFPが偏在していると推定されている。また、事故後に圧力容器からD/Wへの直接漏えいに起因してD/W圧力が高圧になっていたと考えられることから、D/Wも同様に大量のFP付着ありと推定されている。また、建屋壁やS/C壁、もしくはS/C内滞留水が高汚染と推定されている。
2号機に関して、事故進展においては圧力容器からD/Wへの気体の漏えいが起こり、FPはD/W側に直接移行しやすい状況にあったことが推定されている。2号機のオペフロではシールドプラグ位置で高線量を確認。加えて、事故時の写真からブローアウトパネルから大量の蒸気が放出される様子が確認されている。したがって、FPは圧力容器⇒格納容器⇒格納容器トップヘッドフランジ⇒原子炉ウェル⇒シールドプラグ⇒オペフロに至る経路を通り放出されたものと推定されており、FP移行経路上にFPが偏在しているものと推定されている。
3号機に関して、事故時に放出されたFPは圧力容器⇒格納容器⇒格納容器トップヘッドフランジ→原子炉ウェル→シールドプラグ→オペフロに至る経路を通り放出されたものと推定されており、FP移行経路上にFPが偏在しているものと推定されている。
例えば2号機においては、PCV内部調査においてCRDレール付近に局所的な高線量が確認されている。このようにFPが特定位置に集中するメカニズムを解明することが今後の課題となる。
1~3号機廃炉作業(オペフロ除染)及び事故調査の過程において、各号機のシールドプラグ下部(2,3号機)に多量のセシウム137が存在することが確認された。これは格納容器内部に残っていると推測される放射性物質の量に比肩するオーダーであり、今後の廃炉作業及び事故分析(主にFP放出経路等)において注視すべき課題である。
水が循環している状況下ではセシウムなど水溶性の核種の移行が問題になると考えられる。
解析のみによって事故時の状況を追跡することでFPの分布を推定することは困難であるため、特に、現在の状態からバックフィットすることで新しい知見が得たい。例えば1号機RCW系の線量が高いため水を抜くことを検討しているが、この部分のFPを調べた上で、他の系でも同じ結果が出るのかといった評価ができると良い。
評価手法を用いない場合、実インベントリと比べて保守的に扱う必要があると考えられる。そのため、特に、解析と実測をセットとしたアプローチが求められる(理想形は全てを実測できることであるが、現実的ではなく困難であるため、解析との適切な組み合わせが求められる)。

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

R1年度英知放射線・化学生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣機構解明
廃炉・汚染水対策事業総合的な炉内状況把握の高度化(炉内状況の総合的な分析・評価、総合的な分析・評価に資する燃料デブリの挙動や核分裂生成物の挙動及び特性の推定・評価) [資料1] [資料2]
H28年度英知汚染コンクリートの解体およびそこから生じる廃棄物の合理的処理・処分の検討 [資料]
R1年度英知ウラニル錯体化学に基づくテーラーメイド型新規海水ウラン吸着材開発 [資料]
R3年度英知福島第一発電所2,3 号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト