課題番号:デブリ-211
段階:Design
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象構造健全性
課題PCV・建屋の構造健全性確保

ニーズ

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① 構造物の健全性を検査・モニタリングしたい

望ましい状態とその理由

燃料デブリサンプリング燃料デブリ取り出しを安全に行うために、PCVRPV等の重要な機器・設備の支持機能を維持するためには、維持すべき機能(例えば、支持機能や閉じ込め機能等)を有する構造物の健全性を検査・モニタリングすることが望まれる。
検査・モニタリングに際しては、検査装置のアクセス性、設置性、評価手法の開発が望まれる。また、高放射線環境下でアクセスできない場合には、代替となる検査・モニタリング手法及び保守・保全技術が望まれる。

理想と現状のギャップ/解決すべき課題

コンクリートは環境に応じて常に変化していることから、変形をつねに画像解析で評価することや、加速度計を設置して小地震の応答、あるいは特異な変形挙動についてモニタリングするとともに、建物剛性などを振動特性から評価することが必要となる。また、亀裂や腐食のみならず、変形や破壊のモニタリングを継続的に実施することが、許容される変形量等の把握の観点から望まれる。
高線量環境のため、構造物に接近できない、あるいは遠隔技術を用いても十分に構造健全性を検査することができない構造物に対して、構造物の状態や環境を推定する方法(例えば統計的解析手法や各種試験等の方法の考案・開発)が必要となる。
2021 年2 月13 日に発生した福島県沖を震源とする地震により、1,3 号機においてPCV 水位の低下が確認されている。この水位低下は、これまで確認されているPCV 損傷箇所の状況変化や新たな損傷箇所の発生に伴い、PCV 内部からの漏えい量の増加によって発生した可能性があると想定される。プラントの状態変化を把握するための監視系の強化や、中長期を見据えた設備と建屋を保全管理するための影響評価、状況を把握するために必要な技術開発が求められる。
特に、S/Cの足の腐食可能性は課題であり、どの様にモニタリング可能かが課題である。

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業圧力容器/格納容器の耐震性・影響評価手法の開発(大規模地震時における安全シナリオの構築、安全シナリオ構築のための耐震性・影響評価手法の開発、安全シナリオの高度化) [資料]
R2年度英知健全性崩壊をもたらす微生物による視認不可腐食の分子生物・電気化学的診断及び抑制技術の開発
R3年度英知建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究

検討されている研究課題

特になし
② 構造物の長期的な健全性を評価したい

望ましい状態とその理由

PCVRPV等の重要な機器・設備の維持すべき機能(例えば、支持機能や閉じ込め機能等)を維持するための対応策を講じるために、事故の影響及び経年劣化を踏まえた構造物の耐震性及び損傷発生時の影響を把握することが望まれる。その際、実機調査を通じて得られる構造物の状況・状態を用いて解析により事故進展を解明して、構造物の健全性評価を行うことが望まれる。
デブリ取り出しにあたり放射性物質の閉じ込め機能を有するバウンダリとなる構造物配管の健全性の維持を行うために、負圧管理により酸素を含む大気がPCV内に流入する環境下、また、廃炉作業の過程で腐食が刻々と進行する中での構造物腐食等の劣化現象を把握することが望まれる。腐食劣化に関しては、閉じ込め機能の確保のために取られる手法により、PCV内の酸素濃度の変化が起きると大幅な違いが生じるため、連携した対応が望まれる。
気相、液相の流動の中で1F環境特有の劣化(例えば、腐食やき裂等)の有無を確認できることが望ましい。
構造物の長期健全性を評価するためには、検査手法・評価手法の組み合わせともに高精度でのアウトプットが創出されることが望ましい。

理想と現状のギャップ/解決すべき課題

大気中での使用を想定し、閉じ込めバウンダリとなっている原子炉格納容器(PCV)は耐食性の低い炭素鋼が使用されているが、事故後の1Fでは、高放射線、室温、懸濁物・堆積物が存在する特殊な環境となっており、同環境での腐食現象に関する知見が不足している。燃料デブリの冷却のためにPCV 内に注水が行われており、炭素鋼が水に浸漬している状態となっている。また、水の放射線分解により過酸化水素水や各種のラジカル種などの酸化性化学種が発生することが知られている。
燃料デブリ取り出し時に PCV 内を負圧に維持する場合は大気の流入により酸素濃度が上昇して、RPV・PCV 等の構造材及び必要な配管等の腐食が進行することが懸念されるものの、これまでの検討から40 年間分の鋼材の腐食による減肉を考慮しても基準地震動に対する耐震裕度を確保できる見通しが得られている。
一方、更なる腐食抑制対策のため、廃炉・汚染水対策事業において、長期の廃炉作業期間にわたり RPV・PCV 等の構造材及び必要な配管等の腐食の進行を防ぎ、現状を維持するための腐食抑制策の実機適用性について検討している。
PCV・RPV 及び配管等については、放射線環境や海水投入の影響を考慮した鋼材の腐食抑制剤の有効性の試験も実施されており、全体腐食・局部腐食に対しても有効な腐食抑制剤の候補も抽出されている。一方、既設循環水冷却・浄化システムへの防錆剤の影響を緩和する上では、浄化の前段階で防錆剤濃度を低減する必要が示されている。今後、PCV 循環冷却系の検討において、腐食抑制策と他の要求機能が満足される対応策を総合的に検討していく必要がある。
特に、S/Cの足の腐食可能性は課題であり、どの様にモニタリング可能かが課題である。検査は難しいため、評価技術との組み合わせが求められる。
長期に亘るコンクリートの劣化については、更なる検討が必要と考えられる。検査が可能な部分は問題ないと考えられるが、例えば、RPVのペデスタル基礎部分等はモニタリングが困難であるため、評価技術との組合せが必須となる。

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

H29年度英知放射線環境下での腐食データベースの構築
R1年度英知微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究 [資料]
廃炉・汚染水対策事業圧力容器/格納容器の耐震性・影響評価手法の開発(大規模地震時における安全シナリオの構築、安全シナリオ構築のための耐震性・影響評価手法の開発、安全シナリオの高度化) [資料]
R2年度英知α/β/γ線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発
R3年度英知建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究

検討されている研究課題

特になし
③ 構造健全性を維持するための対策を確立したい

望ましい状態とその理由

検査技術及び評価技術で健全性を評価した結果、経年劣化冷却材の漏えい、動的機器の故障などが発生、顕在化した場合、あるいは既設構造物に新設構造物を追設する必要が生じた場合、構造健全性を維持するための技術が準備されていることが望まれる。

理想と現状のギャップ/解決すべき課題

検査技術及び評価技術による健全性評価を優先して実施する必要がある。

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

R2年度英知健全性崩壊をもたらす微生物による視認不可腐食の分子生物・電気化学的診断及び抑制技術の開発
R2年度英知α/β/γ線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト