課題番号:デブリ-218
段階:Design
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象取り出し工法・システム
課題燃料デブリ取り出し装置・機器の開発
ニーズ
※「望ましい状態とその理由」内のキーワードから福島原子力事故関連情報アーカイブへリンクしています(別ウィンドウで開きます)。キーワードでの検索となるため表示に時間がかかることがあります。
① デブリのアクセス、加工(切削・破砕等)、回収及び集塵に必要なツールを開発したい
望ましい状態とその理由
工法選定にあたっては、5つの視点(安全、確実、合理的、迅速、現場指向)に基づきながら、コストや工程も判断指標とする必要がある。そのために、評価項目をなるべく定量化するとともに、総合的な観点から判断指標を設定することが求められる。
燃料デブリを安全・確実・効率的に取り出すために、耐放射線性、耐腐食性、遠隔点検・保守性、高い信頼性、高精度、トラブル事象を可能な限り想定したうえでトラブル発生時に以降の作業を妨げない救援機構等の仕様を満たし、現場状況に柔軟に対応可能なデブリ取り出し機器・装置の開発が望まれる。
理想と現状のギャップ/解決すべき課題
工法選定にあたり、取り出しシナリオの策定と要求事項の明確化が求められる。シナリオの策定では、将来実施される内部調査や技術検討により得られる成果を予め複数想定した上で、これらを活用する前提条件の基に検討する。要求事項の明確化では、要求事項の相互関係にも留意しながら、福島第一原子力発電所全体を見据えた検討が重要となる。現在、取り出し規模の更なる拡大のための工法選定に向けたコンセプト検討が実施されており、2021年度末にはその後の設計検討を進める方式の絞り込みが行われる予定である。
燃料デブリ取り出しにおける加工速度が不足しているため、加工速度向上の可能性検討や、超音波加工に適した応用手法の検討が必要である。
燃料デブリ取り出し装置の遠隔保守を行うために保守区分や保守対象設備について整理がなされている。今後はそれらに基づき、作業セル内機器の具体的な設計、機器収納容器の設計、除染・汚染計測作業の具体化、不足している技術の開発などを行う必要がある。
燃料デブリの回収システムを開発するために、燃料デブリの性状(金属層、切株燃料、粉、塊、小石、クラスト燃料デブリの割合など)及び量を具体的に設定する必要がある。また、粒燃料デブリの吸引回収工法を具体化する必要がある(配管の閉塞対策、効率的に吸引できるストレーナ形状、ポンプの保守手法、フィルタのつまりの検知及び保守、スループット量算出など)。
燃料デブリの切削・加工システム、集塵・飛散抑制システム、PCV内ダスト挙動予測手法の開発が進められている。これらの結果を踏まえ、最適な加工工法、集塵手法、機器の設計及び設置方法を選択する必要がある。また、開発された機器・装置はシステムとして組み合わせた上で、実際に現場で安全かつ確実に性能が発揮できることを確認するために、モックアップ試験を重ねて検証する必要がある。
燃料デブリ以外の炉内構造物等の切断・収納・搬送においては、燃料デブリに比べて大型(大重量)の物を取り扱うため、それに応じた切断能力・把持能力・収納能力(容器)・搬出能力が求められる。
現場情報およびその不確かさ、それを解決しようとする取組などに関する知見を集約し、想定外の状況や不測の事態が発生した場合に対応するための基本データベースを構築する必要がある。また、そのような集合知を開示することで、関連する検討課題において廃炉進捗を俯瞰的に捉え、廃炉工程全体の適正化や、研究を効率的に推進することが求められる。
燃料デブリ取り出し機器・装置を設置するための技術が必要であり、現在は、遮蔽・気相部閉じ込め機能を構築するための作業セル設置や、既設構造物との接続方法について研究開発が進められている。不確定要素を多分に含む過酷環境条件下における、遠隔装置の適用性や遠隔システムの運用・保守性を検証するため、モックアップ試験を重ねる必要がある。
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ・炉内構造物の取り出し基盤技術の高度化(燃料デブリの拡散防止に係る技術開発) [資料1] [資料2] [資料3]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ・炉内構造物の取り出しに向けた技術の開発(燃料デブリのダスト集塵システムの技術開発)
R2年度英知無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの段階的に規模を拡大した取り出し技術の開発
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの取り出し工法の開発
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの段階的に規模を拡大した取り出し技術の開発
R3年度英知燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御
検討されている研究課題
特になし
② 耐放射線材料(電子回路含む)を開発したい
望ましい状態とその理由
高い汚染状況に晒された場合においても速やかに除染を実施できる加工技術や表面処理技術等の開発が望まれる。
理想と現状のギャップ/解決すべき課題
アクセス装置の運用及びメンテナンスにおいて、カメラの耐放射線性は100kGy、アクセス装置の耐放射線性は1MGy程度あることが望ましい。なお、一部のカメラは耐放射線性100kGyを達成している。
高線量下での長時間作業にあたっては、大量の交換部品が必要となり、結果的に大量の廃棄物が発生する。先進技術開発に限らず、既存技術の適用も視野に入れながら、廃棄物発生を考慮した材料が求められる。
燃料デブリ取り出し装置を内包する作業セル内の除染方法と手段は取り出し工法ごとに異なり、未定であるため、今後具体的な手法について検討する必要がある。
除染性を向上させるために、作業セル等への異物混入防止策が必要である。
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ・炉内構造物の取り出し基盤技術の高度化 [資料1] [資料2] [資料3] [資料4]
課題解決型廃炉研究プログラム・一般遮蔽不要な臨界近接監視システム用ダイヤモンド中性子検出器の要素技術開発
R2年度英知無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発
検討されている研究課題
課題リスト耐放射線性材料
課題リスト耐放射線電子回路等の開発