課題番号:デブリ-213
段階:Design
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象戦略・リスク
課題燃料デブリ取り出し方針
ニーズ
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① 燃料デブリ取り出しの作業内容やシステムの成立性を確認したい
望ましい状態とその理由
理想に対する現状
東京電力は、取り出し規模の更なる拡大についての概念検討を、3 号機を先行して実施中であり、燃料デブリ取り出しシナリオを検討するとともに工法の検討を進めている。
この中で、2021 年度末までに工法を検討してきたが、俎上に上がった各工法については、難度の高い課題・リスクが数多く抽出されたことから、2022 年度以降は、これらの課題・リスクの対応策に対する現場適用性、技術成立性の確認を行っていくこととしている。
解決すべき課題
今なお不確かさが存在する福島第一原子力発電所では、PCV 内部状況の不確かさが検討の障害となっており、前提条件を設定して検討を進めざるを得ない状況がある。今後、技術的成立性を判断する上では、臨界管理、ダストの閉じ込め、遮へい、熱除去等、工法・システムに対する要求事項(境界条件)及び制約条件(敷地利用面積、既設設備との取合い等)を明確にして検討していくことが重要である。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
特になし
検討されている研究課題
特になし
② 燃料デブリ取り出し工法の代替策を検討したい
望ましい状態とその理由
燃料デブリ取り出し工法のバックアップを用意しておくために、既存の工法とは異なる方法を予め検討しておくことが望まれる。
状況に応じた最適な手法、あるいはその状況下で最も安全な手法が選択されることが望ましい。
理想に対する現状
取り出しプロセスは、作業環境、アクセス方向、一次バウンダリ等により工法が分類され、気中工法及び冠水工法が俎上に上がってきている。
気中工法は、従来から考えられてきた上アクセス工法と横アクセス工法を単独ではなく組合せした形の工法である。
冠水工法については、従来の冠水の考え方と相違している。すなわち、従来の冠水工法(PCV に水を張る工法:PCV 冠水工法)は放射線の遮へい効果等に利点があるものの、PCV 上部止水の技術的難度と作業時の被ばく量を踏まえると、実現性が低いと判断されていた。このため、2017 年及び2019 年の中長期ロードマップにおける取り出し方針では、気中工法に軸足を置いて進めることとし、冠水工法については研究開発の進展状況を踏まえ、将来改めて検討の対象とすることとしていた。新たな冠水工法は、上述のPCV 冠水工法と相違し、新たな発想により、バウンダリとして船殻構造体と呼ばれる新規構造物で原子炉建屋全体を囲い、原子炉建屋を冠水させる方式の工法である。
解決すべき課題
不確かな要素が多く内在する廃炉事業を、安全かつ安定的に進めるうえでは、現状で得られている情報や想定を基に計画立案を行う一方で、作業の進捗に伴って得られる新たな情報や様々な知見をタイムリーに取り入れ、明らかとなる状況に応じて柔軟に計画を見直していく仕組みづくり・手法の確立が課題である。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
特になし
検討されている研究課題
特になし