次期研究人材育成プログラムについて

次期研究人材育成プログラムの概要

 1F廃炉では、不確実性の高い過酷環境に対処することが求められており、1F廃炉に関する研究を通じて過酷環境に対処できうる人材育成を図ることが喫緊の課題となっています。
 このような状況では、既存知見では対応が困難な過酷環境において、不確実性を考慮しながら解決策を見出すための理論・手法・アプローチを対象に、既存学問で対応できる状況まで安定化させるためのエンジニアリング・マネジメント手法の構築が必要です。
 本プログラムでは、このことを研究する新たな学問を『シビアエンジニアリングマネジメント(SevereEnvironment Engineering and Management)学(以下「SEEM学」という)』と定義し、本プログラムにおける研究を通じて、SEEM学の構築に資すること及び研究人材育成システムの構築を図ることを目的とします。なお、SEEM学は、1F廃炉分野といった原子力工学の一分野に限らず、また原子力分野に限らず、未だ経験したことがない過酷環境に直面する可能性がある様々な分野において構築・活用が求められる学際的な学問に展開していく事を想定しています。
 また、本プログラムでは上記の人材育成に加え、今後の1F廃炉で求められる国際的な研究人材の育成に貢献するため、国際機関による人材育成プログラム(OECD/NEAのNEST等)への参加、および国際共同研究等に基づく海外研究機関との連携・派遣等を通じて、高専生、学部生、大学院生、ポスドク、若手研究者の国際的な経験、国内に閉じることのない国際的な人材ネットワークの拡充を図り、将来の1F廃炉に貢献できうる国際的な研究者の育成も目指します。

具体的な内容について

2023年12月6日に『第2回福島リサーチカンファレンス/ワークショップ「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業の次期研究人材育成型廃炉研究プログラム」におけるシビアエンジニアリングマネジメント学って何?』を開催しました。
本ワークショップでは、現在募集中の英知事業(研究人材育成型廃炉研究プログラム)の概要、シビアエンジニアリングマネジメント学について、JAEA/CLADSから説明を行い、その後で意見交換を実施しました。
以下に当日の説明動画と主なQ&Aを記載します。

【動画】2023年度第2回FRC/WSにおける次期研究人材育成プログラムの説明

<主なQ&A>

Q1
研究分野として示された「燃料デブリを含めた核燃料工学、アルファ核種を含む廃棄物工学」、「性状把握、キャラクタリゼーション」の2つの研究分野及び共通工学分野である「遠隔、計測制御、DX、ディープテック等」以外を研究分野として含めることは可能でしょうか。
A1
研究分野については、提案内容に関連する他の研究分野を対象とすることも可能ですが、提案内容に関連する研究分野との関係において、1F廃炉にどのように貢献するのかの説明が必要となります。
Q2
応募に当たって、複数機関の連携は必須でしょうか。
A2
事業代表者は、他機関の役割を明確とし、その役割を果たすために必要となる経費を配分して連携体制を組むことを必須の応募要件としております(JAEAを含め、5機関以上が望ましい)。 応募要件を満たさない場合は、公募事務局による申請書類の審査の段階で失格となります。
Q3
海外の研究機関の再委託先又は請負としての参画は可能でしょうか。
A3
海外の研究機関は、再委託先となることはできません。請負とすることはできますが、国内外にかかわらず、契約に際し請負先が成果の権利を主張しないように注意してください。
Q4
連携機関として東京電力を含めることは可能でしょうか。
A4
東京電力を連携機関として申請することは可能とします。ただし、東京電力は、本事業に要する経費を申請しないこととします。
Q5
NEST/ARTERDへの参加は事業代表機関のみでしょうか(連携ラボ体制に入っている機関についても申込みが必須でしょうか)。
A5
再委託機関、および連携機関を含めたいずれかの機関からの応募が必須となります。
Q6
JAEAにサテライトラボを設置することは必須の条件でしょうか。
A6
JAEAへのサテライトラボは任意で設置可能です。
Q7
特別研究生は、博士課程以外の学生は受け入れられないのか。
A7
前期/後期の博士課程の学生を受け入れることが可能です。その他の学生は、学生実習生として受け入れることが可能です。
Q8
博士研究員は外国人でもよいのでしょうか。
A8
施設により、入域できない国籍がありますので、JAEAまでお問い合わせください。また、本プログラムは1F廃炉に関する研究人材育成であることからプログラム終了後の1F廃炉との関連性を説明いただくことになります。