課題番号:解体-201
段階:Design
廃炉プロセスPCV/RPV/建屋の解体
検討対象構造健全性
課題PCV・建屋等の構造健全性の把握

ニーズ

※「望ましい状態とその理由」内のキーワードから福島原子力事故関連情報アーカイブへリンクしています(別ウィンドウで開きます)。キーワードでの検索となるため表示に時間がかかることがあります。
① 現在及び長期の構造健全性を確認したい。

望ましい状態とその理由

PCVRPV/建屋の解体前および解体作業時には、その構造健全性、耐震安全性が確保されている必要がある。そのため、現時点での構造健全性や耐震安全性の評価および長期・複雑な履歴を経て顕在化する劣化モードの有無も含めた経年劣化の予測・評価ができることが望ましい。(腐食等)。
また、建造物は突発的な変状と経時的な変状の両者があるため、これらをとらえるモニタリングがなされ、建物の健全性を総合的に判断できることが望ましい。

理想に対する現状

PCV/RPV/建屋に対する健全性評価方法は開発されており、劣化進展も考慮した長期保守管理計画を策定・運用も開始されている。また、1~3号機原子炉建屋の健全性については、建屋内調査や地震計による傾向分析等を継続的に実施している。
特に1号機の格納容器内調査において、ペデスタル内部では内壁の配筋やインナースカートの露出が確認されたことから、それを考慮したペデスタル支持機能における安全性評価が行われている。
高線量な建屋内での健全性調査方法については、現在も検討中である。

解決すべき課題

今後実施されるPCV/RPV/建屋内部調査等によって明らかになる事実を基に、健全性を適宜評価する必要がある。また、経時変化に伴う健全性の低下の評価の高度化、解体に伴う強度低下評価などの高度化が必要と考えられる。
高線量な建屋内での健全性調査方法およびモニタリング技術の開発が必要と考えられる。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

H26年度英知廃止措置のための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・処分に関する基盤研究および中核人材育成プログラム [資料]
H29年度英知放射線環境下での腐食データベースの構築
R1年度英知微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究 [資料]
R2年度英知健全性崩壊をもたらす微生物による視認不可腐食の分子生物・電気化学的診断及び抑制技術の開発
R3年度英知建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究
H25年度補助事業圧力容器/格納容器の健全性評価技術の開発

検討されている研究課題

特になし
② 構造健全性を確保したい。

望ましい状態とその理由

PCVRPV/建屋を安全に解体するためにも、劣化モードや経年劣化の予測・評価の結果も踏まえ、構造健全性、耐震安全性を確保できる様、対策(管理・保全活動、等)がなされることが望ましい。

理想に対する現状

東京電力が2022年3月31日に公開した「廃炉中長期実行プラン2022」では、原子力規制委員会が示した新耐震設計方針の適用を考慮して、1号機大型カバー設置等の工程見直しがされている。
また、1号機の格納容器内調査において、ペデスタル内部では内壁の配筋やインナースカートの露出が確認されたことから、それを考慮したペデスタル支持機能における安全性評価が行われている。

解決すべき課題

ニーズ1の結果にも基づいた、合理的な対策を行う必要がある。対策を行うにあたっては、解体作業への影響を最小限とし、廃棄物量の増加も抑制しなければならないことにも留意が必要と考えられる。
1号機内部調査結果に基づく安全評価では、仮に極端な事象を想定した場合でも、原子炉建屋全体としての構造健全性は十分に維持されるという見解は示されているが、評価の前提や入力値を仮定に基づいて設定せざるを得ないことから、今後実施される内部調査やデブリ取り出し作業時によって明らかになる事実を逐次反映しながら評価していくことが重要と考えられる。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

R2年度英知α/β/γ線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発
R3年度英知建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト