研究開発

CLADSの研究開発

廃炉作業に向けた「基礎・基盤研究」「応用研究」「実用研究」の研究のうち、CLADSは原子力の課題解決に資する基礎・基盤研究を進めています。

基礎・基盤研究について

基礎・基盤研究の全体マップ

「基礎・基盤研究の全体マップ」は、汚染水対策から処理・処分・環境回復までの廃炉全体を俯瞰し、それぞれの廃炉プロセスの中にあるニーズの相関を示すことで、基礎・基盤研究の解決すべき課題を整理しました。
「基礎・基盤研究の全体マップ(詳細版)」は、そのニーズを選択することで「一件一葉」の詳細情報を得ることができます。

1F廃炉プロジェクトを合理的に進めるためには、現在だけでなく将来も見据えて必要と考えられる重要な研究課題を、実施時期と実施方法とあわせて同定する必要があります。そのためまず、プロジェクトのニーズ、研究のシーズのマッチングを検討し、プロジェクト全体を対象として手つかずの重要な研究や埋もれている(気づかれていない)研究課題を掘り起こし、重要な研究課題として提示。これまで進めてきた「廃炉に関する基礎・基盤研究の課題リスト」の更新を進めるとともに、ニーズ、シーズの関係を整理し、上記要求に応えられる「基礎・基盤研究の全体マップ」を作成していきます。

基礎・基盤研究の全体マップ

※ マップをクリックするとマップの詳細を見ることができます

燃料デブリ富岡・茨城

分析と解析による推定
取り出された燃料デブリの分析結果と、各種再現実験で得られた情報から、原子炉内部の状況を推定していきます。
分析手法の精度向上
取り出した燃料デブリから多角的な視点で情報を得るための分析手法の開発を行っています。
処分方法確立への貢献
燃料デブリの取り出しおよび保管時に必要な安全確保のための評価、並びに処分における技術的な可能性を提案します。

other

  • 福島第一発電所2,3 号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握
  • 燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明
  • 燃料崩壊・移行挙動評価による炉内状況把握の高度化
  • 内部調査、事故解析、サンプル分析結果を活用した、デブリ性状・原子炉破損状況の推定
  • 1F事故進展とデブリ挙動に係る解析評価
  • 燃料デブリと放射性廃棄物の仕分け技術開発
  • プラント内及び取出し燃料デブリの放射線特性評価
  • 非破壊測定に基づく計量管理手法の開発
  • セシウムと鋼材との化学吸着挙動解明
  • 固体試料用同位体質量分析装置の燃料デブリ分析及び固体廃棄物分析への適用に関する実証研究 ~1F建屋内汚染サンプル及び瓦礫試料を用いた分析~
  • 微生物による経年変化メカニズムの解明及び放射性核種の拡散抑止技術の開発
  • 燃料デブリの経年変化予測手法の開発
  • 燃料デブリ分析の知見収集のための国際協力
  • 金属系燃料デブリの形成機構に着目した性状評価
  • 内部被ばく推定の観点からのαエアロゾルの評価と測定に関する研究
  • 燃料デブリ溶解条件の最適化検討
  • 燃料デブリ性状の分析に必要な技術開発等
  • U含有模擬デブリを用いた1F燃料取出し時の燃料デブリ微粒子挙動評価
  • 燃料デブリの分析精度の向上

放射性廃棄物管理茨城

合理的な性状把握・評価
大量に発生する多種多様な放射性廃棄物の性状把握・評価を合理的に行なう手法の開発を行っています。
高濃度廃棄物の方策構築
放射能が強い廃棄物を安全に処理・処分するために必要な手法の検討を行っています。
低濃度廃棄物処理具体化
大量に発生する放射能が少ない廃棄物を、最終的に処分しやすい形にする方法の具体化を検討しています。

other

  • 固化体長期安定性等のメカニズムの探求
  • 事故廃棄物処分安全評価に向けたソースターム研究
  • ジオポリマー/ゼオライトを支配する因子の探索
  • 水処理二次廃棄物の安全に関する検討
  • ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究
  • 鉄系構造材への放射性核種の移行挙動の解明
  • 固体廃棄物の処理・処分に関する研究開発
  • 放射線電離エアロゾル計測によるα汚染非破壊測定
  • 分析技術の高度化開発
  • 汚染物水を用いた試験研究(汚染機構、Sr吸着材)
  • 溶脱による変質を考慮した汚染コンクリート廃棄物の合理的処理・処分の検討
  • ストロンチウム吸着材製造
  • 福島第一原子力発電所原子炉建屋内外の汚染機構に関する検討
  • 廃棄物管理技術の研究開発に関する知識ベースの整備

環境回復三春・南相馬

避難指示解除への貢献
モニタリングデータの分析技術や被ばく評価手法の高度化により、避難指示解除に必要となる情報を社会に提供しています。
影響評価・予測の提示
環境中における放射性物質の挙動を把握し、将来にわたる影響評価・予測結果を社会に分かりやすく提示しています。

other

  • 化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成
  • 放射性物質の分布データの集約事業データ整備、EMDB運用、統合マップ作成
  • 生物指標種による核種捕捉メカニズム、放射性ダスト評価
  • WBC検査による福島県民健康調査支援業務の着実な実施
  • 陸水域動態を考慮した被ばく線量の将来予測
  • 電顕等を用いた固相分析法の開発
  • 森林域における放射性Cs挙動及び樹木の放射性Cs濃度の予測
  • 環境試料中微量放射性物質の分析技術開発
  • 核種移行のモデル開発
  • 水圏での放射性セシウムの挙動/経時変化
  • γ線測定
  • 陸上環境での放射性セシウムの沈着状況/経時変化
  • 帰還困難区域における複合的なモニタリングと被ばく評価
  • 市街地環境での放射性セシウムの挙動/経時変化
  • モニタリングツールの開発

放射線共通研究・基盤
富岡・茨城

被ばく量の低減
目に見えない放射線を可視化する研究を推進することで、作業中における不用意な被ばくを防止し、従事者の安全に寄与します。
分析技術の高度化
新しい放射性物質・核燃料物質の分析手法を提案し、従前であれば測定困難であった環境においても対象物の評価ができる技術を開発しています。
長期健全性・安全性の研究
長期的な構造体の健全性・安全性を評価するため、高放射線環境における材料劣化および腐食の関係を研究しています。

other

  • 健全性崩壊をもたらす微生物による視認不可腐食の分子生物・電気化学的診断及び抑制技術の開発
  • 建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究