課題番号:処-103
段階:Preparation
廃炉プロセス処理・処分・環境回復(燃料に由来するα核種が含まれる廃棄物含む)
検討対象キャラクタリゼーション②
課題計量管理

ニーズ

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① 燃料デブリや核燃料物質に対する合理知的な計量管理方策を立てたい。

望ましい状態とその理由

燃料デブリ炉内構造物の取り出し方法、燃料デブリ収納・移送・保管技術の開発等に資することを目的として、燃料デブリの性状を分析・推定するのに必要な技術開発等が望まれる。
燃料デブリに対して通常の計量管理手法を適用することができないため、過去の類似事故の事例を参考にしながら燃料デブリや廃棄物に適した計量管理手法を整備することが望まれる。
燃料デブリや廃棄物の管理の観点で得られたデータを踏まえ、現状の手法や考え方をどのように合理化できるのか検討することが望まれる。
燃料デブリは、難測定核種、妨害元素、不溶解性物質等を含み、サンプルの均一溶解、同重体の選別等の前処理や測定時の課題があることから、分析により微量成分までの全ての元素、同位体の同定・定量を精密に行うことは難しい。分析結果の品質向上が望まれる。
燃料デブリ取り出し時の固体廃棄物については、溶融燃料や構造材料が混在しているため、損傷した支柱や配管等への付着物中にウランが含まれるか否かを迅速に確認することができれば、作業性の向上が期待できる。
燃料デブリには、非破壊計測の阻害要因が含まれているため、それら阻害要因が計測に及ぼす影響の程度を確認する必要がある。

理想に対する現状

分析結果の品質向上のため、JAEA、NFD、NDC、東北大学が協力して共通試料を用いて化学分析や構造解析を2020年度から実施している。現在は燃料デブリデータ拡充のため、茨城地区の事業所間において、最新の分析技術を用いたTMI-2デブリの分析が実施されている。
作業性の向上のため、簡易(その場)分析の技術開発として、レーザー誘起ブレークダウン分光分析法(LIBS)による技術開発が実施されている。
阻害要因が計測に及ぼす影響の程度を確認するため、廃炉・汚染水・処理水対策事業において、シミュレーション解析と既存試験装置を活用した実測試験により現場適用を目指した技術開発が実施されている。
核燃料物質、難測定核種等の分析における迅速化・効率化を目指して、これらを同時に自動定量するための技術開発が実施されている。

解決すべき課題

燃料デブリや核燃料物質、水処理二次廃棄物の全量を分析することは現実的でないため、サンプリング結果から全体のインベントリ等を推定するモデルや方策が必要である。
実際の計量時の作業被ばくが重要となるので、作業時の安全性やコスト等を合理的に判断して方策を立てる必要がある。
処分方法を考える上で、α核種の定量化は非常に重要な実施項目となるためそれを支える基盤技術の整備が必要となる。
現在、燃料デブリの性状に関する情報、知見が限定的であることから、廃炉・汚染水・処理水対策事業や東京電力での検討では燃料デブリの性状等を保守的に想定して機器・設備が設計されている。取り出し規模の更なる拡大における燃料デブリの収納・移送・保管のための機器・設備の設計では試験的取り出しや段階的に規模を拡大した取り出しにおいて収集・蓄積される水素発生量や燃料デブリ性状等の各種計測データや、燃料デブリの移送から保管までの作業における燃料デブリの取扱いに関する知見や経験を活用して合理化を進めることが重要である。
段階的な取り出し規模の拡大では分析するサンプル数が徐々に増加することになり、確実に分析を行うためにも、JAEAの放射性物質分析・研究施設第2棟の整備を着実に進める必要がある。続く取り出し規模の更なる拡大に向けて、総合分析施設の検討、非破壊計測システムや簡易分析の技術開発との連携も重要である。また、燃料デブリの処理・処分方法は第3期に決定することから、採取した燃料デブリを用い、熱物性や水の放射線分解による水素の発生量の測定等の処理・処分に関連するデータの取得を検討する必要がある。
燃料デブリの処理・処分方法の決定に向け、燃料デブリ取り出し後に燃料デブリの性状の分析等を進める必要がある。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発 [資料1] [資料2] [資料3] [資料4]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度の向上及び熱挙動の推定のための技術開発) [資料]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度の向上、熱挙動の推定及び簡易分析のための技術開発) [資料]
廃炉・汚染水・処理水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(仕分けに必要な燃料デブリ等の非破壊計測技術の開発) [資料1] [資料2]
R3年度英知福島第一発電所2,3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

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