課題番号:輸保貯-301
段階:Action
廃炉プロセス輸送・保管・貯蔵(燃料に由来するα核種が含まれる廃棄物含む)
検討対象輸送・保管・貯蔵
課題輸送・保管・貯蔵方法の検討
ニーズ
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① 輸送・保管・貯蔵方法を検討したい。
望ましい状態とその理由
燃料デブリに由来するα核種が含まれる廃棄物等の容器やその取り扱い環境を整備し、被ばくの観点で安全かつ確実な輸送・保管・貯蔵方法を検討することが望まれる。特に段階的な取り出し規模の拡大に向けては、未臨界維持・閉じ込め・水素発生対策・冷却等の安全機能を備え、かつ回収した廃棄物等の収納から移送・保管までの一連の流れを考慮したシステムを構築することを念頭に検討することが望ましい。
施設間の輸送・保管を安全かつ迅速に行えるよう、輸送容器の仕様を明確化することが望まれる。特に廃棄物等が収納された収納缶等は遠隔操作装置を用いて取り扱うことから、実際に使用する、あるいは類似の遠隔操作装置を用いたモックアップ試験を通じて得られた知見を踏まえて検討することも有効と考えられる。
保障措置の要求を満たすための設備(監視装置等)に対しても配慮する必要がある。
理想に対する現状
取り出された燃料デブリは、エンクロージャ内で燃料デブリ取り出し容器及び構内輸送容器に収納された後、第一保管施設に保管される計画となっており、第一保管施設の設計が進められている。
取り出しから保管までの作業プロセスの内、燃料デブリと放射性廃棄物に仕分ける作業が実施可能なステップの検討(仕分けのシナリオの検討)が実施された。
核物質量やその含有濃度を非破壊で測定ないしは推定できる可能性のある技術・装置の調査(計測技術の候補の調査)が実施された。
燃料デブリ回収時に行う切削等の加工に伴って発生する粉状の燃料デブリは、ガス管理システムや冷却水循環システム粉状またはスラリー・スラッジ状態で回収することが検討されている。
取り出し規模の更なる拡大に向けては、塊状、粒状の燃料デブリを対象に移送・保管のプロセスの検討、保管技術・形式の調査と候補の絞り込み、燃料デブリの保管前に必要となる処理、保管場所までの移送方法やルート等の検討も進められている。
解決すべき課題
仕分けにあたっては、合理的な精度とすることが重要であるため、重量・分布の把握に求められる精度そのものを検討することが必要となる。また、計測技術の開発においては計測誤差の把握が重要であるが、影響を与える因子が不確実であるため、数値実験によって蓄積される知見を実際の開発に反映することが必要となる。
第一保管施設における燃料デブリの取扱いでは、多様な遠隔操作装置を使用する計画であり、それらの装置を計画通りに使用することが課題となっている。設計段階において装置を用いた作業内容を十分に確認し、潜んでいるリスクへの対策を検討して設計に反映する必要がある。
廃棄物の継続的な情報整理、管理項目の整理、測定・評価方法の検討が必要となる。
廃棄物情報の整理により、取り出し機器や空調・水処理系廃棄物が発生することが明らかになり、これらを安全に収納・移送・保管する方法の検討が必要となる。
廃棄物に対して一律的に保守的な単一条件を設定するのではなく、複数のケースに分けて輸送・保管・貯蔵の仕様を検討する必要がある。現状では燃料デブリの性状に関する情報・知見が限定的であることから保守的な設定となるが、今後収集・蓄積される知見や経験を活用し、設計を合理化する必要がある。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
検討されている研究課題
特になし