課題番号:デブリ-215
段階:Design
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象戦略・リスク
課題総合的なリスク管理方策の確立・運用
ニーズ
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① 総合的なリスク管理を行いたい
望ましい状態とその理由
さらに、上記に基づき、効率的・効果的なリスク管理手法の導入が望まれる。
理想に対する現状
中長期ロードマップでは、これらリスク源への対処に関して、①相対的にリスクが高く優先順位が高いもの(建屋内滞留水やプール内燃料)、②直ちにリスクとして発現するとは考えにくいが拙速に対処した場合にかえってリスクを増加させ得るもの(燃料デブリ)、③将来的にもリスクが大きくなるとは考えにくいが廃炉工程において適切に対処すべきもの(除染装置スラッジ等の固体廃棄物)の3 つの基本分類を用いており、優先順位を付けて最適な対策を実施している。
福島第一原子力発電所の廃炉は、大きな不確かさを内在した事業である。現在までに、事故進展過程のシミュレーション、ミュオン測定による燃料デブリ位置の推定、PCV 内への調査機器の投入、建屋内の線量測定や映像撮影等により、1~3 号機PCV 内部の様子をある程度推定できるようになってきているが、未だ大きな不確かさが存在している。
この不確かさを解消するためには、多くのリソース、特に膨大な時間を要することになるが、速やかなリスク低減を目指すためには、ある程度の不確かさが存在していても、安全の確保を最優先に、これまでの経験、知見、実験や解析によるシミュレーション等を活用し、方向性を見定めた上で柔軟かつ迅速に廃炉作業を進める必要がある。
このような総合的な判断を行う上での視点として、NDF は5 つの基本的考え方(安全、確実、合理的、迅速、現場指向)を整理している。
解決すべき課題
燃料デブリ取り出し作業を含む、一連の廃炉作業におけるリスクを抜け漏れなく抽出し、整理する必要がある。これは、燃料デブリ等の取り扱いにおける燃焼・爆発、劣化、被ばく、散逸・移行等のリスクを総合的に対応する上で重要である。この際のリスクは、作業を行うことのリスクと、作業を行わないことによるリスクの双方を含む必要がある。
時間の経過とともに、施設やリスク源の劣化等によりリスクレベルが増加する可能性があることに留意する必要がある。また、リスク低減措置を実施する場合にはリスクレベルが一時的に増加する可能性があるが、それらを統合的に評価した上で、周到な準備と万全の管理システムの構築、システムの継続的な高度化によって、受容できないリスクレベルにまで到達しないような措置を講じる必要がある。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
検討されている研究課題
特になし