課題番号:共-6
 
廃炉プロセス共通項目
検討対象リスク評価

ニーズ

※「望ましい状態とその理由」内のキーワードから福島原子力事故関連情報アーカイブへリンクしています(別ウィンドウで開きます)。キーワードでの検索となるため表示に時間がかかることがあります。
① リスク評価手法を確立したい

望ましい状態とその理由

福島第一原子力発電所における放射性物質に起因するリスクを適切に把握し、安全着実な廃炉を実施するために、福島第一原子力発電所におけるリスク源を特定し、対策が必要と見込まれる事象やリスク源を明確化する必要がある。そのために、リスク評価手法を確立しておくことが望ましく、また、継続的に評価結果を更新していく必要がある。
上記の評価においては、原子力規制委員会の東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ(2023年3月版)の内容も参考になると思われる。

理想に対する現状

原子力損害賠償・廃炉等支援機構の東京電力ホールディングス㈱福島第一原子発所の廃炉のため技術戦略プラン2023では、福島第一原子力発電所における主要なリスク源を特定し、SED(Safety and Environmental Detriment)指標を用いてリスクの定量化を行っている。
中長期ロードマップでは、これらリスク源への対処に関して、①相対的にリスクが高く優先順位が高いもの(建屋内滞留水やプール内燃料)、②直ちにリスクとして発現するとは考えにくいが拙速に対処した場合にかえってリスクを増加させ得るもの(燃料デブリ)、③将来的にもリスクが大きくなるとは考えにくいが廃炉工程において適切に対処すべきもの(除染装置スラッジ等の固体廃棄物)の3つの基本分類を用いており、優先順位を付けて最適な対策を実施している。

解決すべき課題

廃炉作業に伴い、一時的にリスクレベルが変化することや、作業員の被ばく量が増加する可能性がある。数十年に亘る経時変化を考慮したリスク、ある行為を「行わなかった場合」のリスク等、総合的なリスク評価を行い、廃炉戦略に反映していく必要がある。
リスク管理の考え方と指標の明確化が必要である。例えば、考え方としては、「ダストが舞う場合」において「ダスト発生抑制」のみで対応するのではなく、「モニタリング」でも対応する等が有り得る。何をリスクとして捉え、それをどの様にマネジメントしていくのか、ということが重要と言える。
また、リスクとしては被ばくリスクだけでなく、工程リスク等のプロジェクトリスクも検討対象に含められると良い。
特に、リスク評価の運用においては、細分化された評価を行うのではなく、全体システムを1つの指標で測定して全体のリスクを評価できると良い(発電所の安全パラメータのようなイメージ)。一方で、個別作業を行う上で意思決定を行うための判断基準としてのリスク評価もあると良い。現場で使いやすい評価手法であることが重要である。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

特になし

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト