課題番号:デブリ-219
段階:Design
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象取り出し工法・システム
課題燃料デブリ加工時の安全性確保

ニーズ

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① デブリ取り出し時の監視手段を確立したい

望ましい状態とその理由

安全機能の確保を前提として、過度な設備仕様とならないように配慮しつつ系統設備等の構築について検討し、その結果に基づいて必要な処置を講じて適性に運用していくことが求められる。
燃料デブリ取り出しを安全に実施するために、RPV内、PCV内で実用的な視覚・計測能力を有する監視手段の確立が望まれる。
燃料デブリ取り出しを安全に実施するために、切削による多量のα核種を含む放射性飛散微粒子(αダスト)の状態変化を監視することが望まれる。
燃料デブリ取り出しを安全に実施するために、炉内の試料を外部に持ち出す前に遠隔による分析を行うことで試料の性状をその場で取得することが望まれる。
長期にわたる廃炉工程では、様々な想定外の事象、状況が起こりうるため、それらに対応できる体制を構築しておくことが望まれる。
燃料デブリを安全に取り出し、保管するための設備・装置類を適切に運用するために、それらの安全機能を確保するシステムを構築することが望まれる。

理想に対する現状

PCV内部状況監視のための計測システム(圧力、温度、水位、放射線等)を統合した安全システムの構築に向けて、前提条件を仮設定し、系統設計や配置の検討が進められている。
αダスト飛散に係る一般的な挙動を把握するため、いくつかの加工方法における飛散データを取得する試験や、工法間の差異を分析する試験が実施されるとともに、現場環境条件への適用性を高める試験も計画されている。
α核種モニタリングは再処理施設や燃料加工施設に適用例があるものの燃料デブリ取り出しでは線量など既設設備と状況が大きく異なるため、既存技術の適用性を検討し、新規開発項目の有無を確認する必要がある。
炉内の試料を外部に持ち出す前に遠隔による分析を行う手法としてレーザー誘起プラズマ発光分光法にロングパルスレーザーを活用する手法が研究されている。

解決すべき課題

αダストの飛散影響を把握するためには試験的取り出し等におけるダスト飛散に関するデータを測定し、安全評価手法の実証・確認を計画していくことが必要となる。
遠隔分析手法のレーザー誘起プラズマ発光分光法の高度化に向けて、プラズマ発光特性を取得し最適な元素スペクトル観測条件を検討する必要がある。
現場情報およびその不確かさ、それを解決しようとする取組などに関する知見を集約し、想定外の状況や不測の事態が発生した場合に対応するための基本データベースを構築する必要がある。また、そのような集合知を開示することで、関連する検討課題において廃炉進捗を俯瞰的に捉え、廃炉工程全体の適正化や、研究を効率的に推進することが求められる。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ・炉内構造物の取り出し基盤技術の高度化(燃料デブリ取り出し時の監視技術の開発) [資料1] [資料2] [資料3]
H27年度英知先進的光計測技術を駆使した炉内デブリ組成遠隔その場分析法の高度化研究 [資料]
R1年度英知燃料デブリ取り出し時における炉内状況把握のための遠隔技術に関する研究人材育成 [資料]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの段階的に規模を拡大した取り出し技術の開発
R3年度英知アルファ微粒子の実測に向けた単一微粒子質量分析法の高度化

検討されている研究課題

特になし
② デブリの安定化手法を確立したい

望ましい状態とその理由

燃料デブリ取り出しにおける加工、収納、移送、保管時に安全性を確保するために、燃料デブリMCCI生成物の確実・簡便な安定化とその維持の検討が望まれる。

理想に対する現状

燃料デブリが付着した大型構造物を一体で収納する大型搬送容器に対し、再臨界防止方法や臨界検知方法について検討されている。具体的には、非溶解性中性子吸収剤の事前投入による臨界防止策を検討し、保守的な条件で必要となる中性子吸収剤の必要量が評価されている。

解決すべき課題

臨界シナリオ及びリスク評価の信頼性を向上させるために、PCV内部調査等の結果を踏まえて新規知見を取り入れる必要がある。
具体的な燃料デブリの安定化手法を検討するために、燃料デブリの経年変化に係る検討結果を踏まえて具体的に何を安定化させるべきか明確にする必要がある(腐食といった化学的安定性、再臨界といった原子核物理的安定性 等)

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

特になし

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト