課題番号:処-203
段階:Design
廃炉プロセス処理・処分・環境回復(燃料に由来するα核種が含まれる廃棄物含む)
検討対象処分概念
課題処分概念の構築

ニーズ

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① 処分概念を明確化したい。

望ましい状態とその理由

事故廃棄物の処分の安全性、効率性、信頼性を高めるために、既存の廃棄物と異なる特徴をもった事故廃棄物に対する処分概念の明確化が望まれる。
処分概念の信頼性を高めるため、固体廃棄物の特徴を踏まえ、処分施設の長期変遷挙動の検討に基づき処分概念の成立性を評価し、処分概念の検討に反映することが望まれる。

理想に対する現状

処分概念に求められるニーズへの対応策構築のため、廃棄物ストリーム の検討が進んでいる廃棄物について、必要な情報・知識の調査が行われている。
固体廃棄物処分に関しては、重要なシナリオ抽出のため、処分施設における重要事象進展のストーリーボードの構築が開始されている。

解決すべき課題

従来、放射性廃棄物は地層処分、中深度処分、浅地中処分(ピット、トレンチ)のいずれかで処分することとされており、それぞれの処分概念は確立されたものであった。
事故廃棄物は、既存の廃棄物に比べて、物量が多いこと、核種組成が異なること、核種組成に不確実性があること、廃棄体性能に不確実性があること、等の特徴を有する。これらの特徴を勘案した上で、既存の処分概念がそのまま適用できるのか?何らかの付加が必要となるのか?全く新しい処分概念が必要となるのか?より望ましい処分概念があるのか?それはどの様な処分概念か?を明確にする必要がある。
併せて、現行の法制度の適用に係る課題を明確化し、改善案を明らかにする必要がある。
処分概念の信頼性を高めるために、固体廃棄物の特徴を踏まえ、処分施設の長期変遷挙動の検討に基づき処分概念の成立性を評価し、処分概念の検討に反映する。
成立性の示された処分概念に適切に廃棄物を割り当てるためには、廃棄体の特性、処分施設やその周辺の環境条件の変化等を、適切に線量評価のシナリオやパラメータに反映した上で試行を繰り返すことにより、これらのシナリオやパラメータの線量への感度構造に関する知識を拡充し、安全で合理的な処分オプション案を提示することが重要である。
さらに、この処分オプションを反映した廃棄物ストリームの対象を広げ、福島第一原子力発電所の固体廃棄物全体を俯瞰した処分オプション群の検討を行うとともに、性状把握で必要な精度や廃棄体性能の目標の提示等といった処分以外の分野で得られる知見と連携して、固体廃棄物の具体的管理について全体としての適切な対処方策検討に寄与する必要がある。
燃料デブリの処理方法の検討は今後実施されることが予想される。燃料デブリに対する処分概念は、処理方法と密接に関係するため、処理方法と併せて検討する必要がある。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業固体廃棄物の処理・処分に関する研究開発 [資料]
R2年度英知革新的水質浄化剤の開発による環境問題低減化技術の開拓

検討されている研究課題

R3年度英知福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合 理的な処分概念の構築・安全評価

関連する課題

資料

関連サイト