課題番号:処-202
段階:Design
廃炉プロセス処理・処分・環境回復(燃料に由来するα核種が含まれる廃棄物含む)
検討対象廃棄物の減容化、廃棄体化
課題廃棄体化手法

ニーズ

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① 廃棄体の性能、信頼性を向上させたい

望ましい状態とその理由

廃棄体の性能、信頼性を向上させるために、廃棄物の性状に応じた廃棄体化技術手法を選定し、その手法、評価方法を高度化することが望まれる。

理想に対する現状

低温処理技術について、実規模試験による実機適用の見通しの確認を行うとともに、固化可能性検査手法の更なる検討や各種処理技術により作製された固化体の安定性(浸出特性、長期変質現象、放射線影響等)評価手法について検討が行われている。

解決すべき課題

廃棄物の性状は多岐にわたり、それぞれに応じた廃棄体化技術手法の選定が必要である。
廃棄体の性能、信頼性が担保されているかどうかの判断指標が必要である。
廃棄物によっては、安定化のために取り急ぎのための廃棄体化が必要な場合がある。なお、取り急ぎのための廃棄体化においても、再度の処理が必要にならないよう求められる廃棄体要件をあらかじめ明確にする必要がある。
作製される固化体の処分後の地下水への浸出性能等の評価を行う必要がある。
これまで研究開発が進められてきた低温・高温処理技術について、未対応となっている課題(まだ適用性が検討されていない廃棄物ストリームについての評価、作製される固化体の安定性等の評価等)への取組を継続する必要がある。
低温処理技術については、固化可能性検査手法や固化体の変質に関する検討が必要となる。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業固体廃棄物の処理・処分に関する研究開発 [資料]
廃炉・汚染水対策事業固体廃棄物の処理・処分に関する研究開発(スラリーの低温固化処理に関する研究開発) [資料]
R1年度英知高い流動性および陰イオン核種保持性を有するアルカリ刺激材料の探索と様々な放射性廃棄物の安全で効果的な固化 [資料]
R2年度英知革新的水質浄化剤の開発による環境問題低減化技術の開拓
R3年度英知福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合 理的な処分概念の構築・安全評価

検討されている研究課題

特になし
② 廃棄物を安定化したい。

望ましい状態とその理由

廃棄物に対しては、その性状を踏まえ安全かつ合理的な保管・管理を行うこと、及び先行的処理の方法を合理的に選定する手法を構築することが望まれる。
二次廃棄物の発生量抑制、コスト低減の観点からは、最終的な廃棄体化までのプロセスを最小化することが望まれる。
処理・処分に悪影響を及ぼす物質が廃棄物に含まれていた場合に、それらを分解する等の処理工程の確立が望まれる(悪影響に対して、処分側で対処するのではく、処理側で対処する)。

理想に対する現状

高温処理技術のALPSスラリー等への実機適用の見通しの確認や処理時のCs揮発抑制のための詳細な検討が行われてきた。
低温処理技術の適用範囲の拡大、技術オプションの拡大に資するため熱分解処理等の中間処理技術について、有機物の無害化や反応性・腐食性物質の不活性化等への適用性の確認に取り組まれている。
当面の廃炉作業で想定される課題に対し、柔軟かつ合理的に対応するための対策の予備検討として、以下の可能性について検討されている。
分別が困難で、有害物等が含まれている可能性がある雑多で多量なガレキ類を、分別せずに一括固化する技術
安定化処理後のスラリー脱水物を処理する際の前工程が簡素化され、容器からの取り出しに係る開発を不要とするスラリー脱水物とその容器の一体処理技術

解決すべき課題

廃棄物のうち流動性が高いものについては、その流動性から保管・管理におけるリスクが比較的大きいため、一定の処理(ガラス固化等)によりリスクを低減して、より安定かつ合理的な保管・管理を行う必要がある。
処理が施された場合の固体廃棄物の仕様ごとに、施設の設置場所や規模等を特定せず廃棄物の特徴に適した合理的で実現可能性のある複数の処分方法に対して、安全評価に係るシナリオ、モデル、データ等により安全性を評価し、その結果に基づいて先行的処理方法の選定手法を検討する必要がある。
最終的な廃棄体化までのプロセスの最小化として、二次廃棄物の発生量の低減対策やコスト低減対策を検討する必要がある。
特に、処理・処分で悪影響を及ぼす物質が含まれているかどうかの確認方法およびそれらの物質の処理方法を検討する必要がある。
研究開発が進められてきた低温処理技術の適用範囲の拡大の検討に取り組む必要がある。
これまでに低温・高温処理技術の適用について検討されていない廃棄物ストリームについて、必要に応じて技術適用に関する評価を行う。
低温処理技術については、固化可能性検査手法の検討を行う。高温処理技術については、固化処理プロセスだけでなく供給系や排気系を含めた処理システム全体としての成立性について、処理の開始時期に応じた適切な時期に検討を行う必要がある。
ALPSスラリーについて、水処理で継続的に発生し保管容量が課題となっていることから、特定原子力施設・監視評価検討会及び特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合におけるスラリー脱水処理技術に係る論点を踏まえた上で、脱水処理に伴う課題についても十分に勘案し、適用する処理技術の選定に関する要件について優先的に検討を行う必要がある。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業固体廃棄物の処理・処分に関する研究開発 [資料]
廃炉・汚染水対策事業固体廃棄物の処理・処分に関する研究開発(スラリーの低温固化処理に関する研究開発) [資料]
H30年度英知放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発
R1年度英知高い流動性および陰イオン核種保持性を有するアルカリ刺激材料の探索と様々な放射性廃棄物の安全で効果的な固化 [資料]
R1年度英知燃料デブリ取出しに伴い発生する廃棄物のフッ化技術を用いた分別方法の研究開発 [資料]
R1年度英知アパタイトセラミックスによるALPS沈殿系廃棄物の安定固化技術の開発 [資料]
R3年度英知福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合 理的な処分概念の構築・安全評価
R3年度英知ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト