課題番号:輸保貯-204
段階:Design
廃炉プロセス輸送・保管・貯蔵(燃料に由来するα核種が含まれる廃棄物含む)
検討対象安定状態の維持
課題収納缶仕様の設計

ニーズ

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① デブリからの溶出物による水汚染と、それによる収納缶への影響を把握したい。

望ましい状態とその理由

燃料デブリに含まれると想定される影響物質に関して、保管時の安全性に及ぼす影響因子のデータおよび評価方法を整備することが望ましい。
燃料デブリの保管成立性検討の基盤情報(安全評価時の核種挙動に関するパラメータ等)を整理することが望ましい。

理想に対する現状

燃料デブリの性状把握に向けた研究開発が実施されている。
燃料デブリではないが、実規模でのALPSスラリー脱水物の処理可能性、収納缶材料候補の腐食耐性が検討されている。

解決すべき課題

燃料デブリに含まれる化学物質の知見を取得し、データを拡充する必要がある。
収納缶の劣化を評価するために、移送・保管環境時の収納缶に対する劣化や腐食等の影響を評価する必要がある。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

特になし

検討されている研究課題

特になし
② 移送・保管システムの安全評価に必要となる評価手法を確立したい。

望ましい状態とその理由

従前の技術開発では収納缶や移送・保管システムの基本設計をまとめる観点から要素試験を中心とした検証を行っているが、システムとしての検証が必要である。
移送・保管システムを設計する上での安全機能の分担および要求事項を明確化する。
収納から保管に至るまで安全かつ合理的に行うため、各プロセスの処理能力・リスク・施設の合理性等について分析・評価し、最適化する。
収納缶構造検証試験の立案および検証試験の実施/評価による検証を進め、収納缶設計に反映させる。

理想に対する現状

廃棄物の発生から保管、分別・減容・安定化等の処理を経て長期保管あるいは処分に至る流れが整理され、選択肢の選定・絞り込みを行う際の基準となる考え方や判断指標が検討されている。

解決すべき課題

各部位に対する要素試験から得られた収納缶設計仕様に関し、運用性等を考慮した収納缶全体での成立性を検証する必要がある。
選択肢の選定・絞り込みには様々な情報を必要とするため、それらの整備結果を活用して横断的に情報整備を進める必要がある。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ収納・移送・保管技術の開発(燃料デブリ収納缶の移送・保管に係る安全要件・仕様及び保管システムの検討) [資料1] [資料2]
R2年度英知α/β/γ線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発

検討されている研究課題

特になし
③ 収納缶の遮蔽、除熱、密封、臨界防止を行いたい。

望ましい状態とその理由

収納缶を軽量化した場合、収納缶の遮蔽機能だけでなく、周辺機器や設備で遮蔽する必要がある。
収納缶からの自然放熱に加え、移送容器等のバスケットや施設内の空調等で周囲の温度環境を担保する。
水素発生等による内圧上昇の観点等から収納缶は燃料デブリの過度な環境放出を防ぐのみとして密封せず、移送容器の機密性能で対応する。
収納缶単体で未臨界を担い、かつ収容の観点から可能な範囲で胴寸法を大型化することが望まれる。
収納する燃料デブリのサイズ・性状(塊状、粒状、粉状、スラリー・スラッジ状)の違いも考慮した設計とする必要がある。

理想に対する現状

2022年度までに収納缶の基本仕様として、取扱性を考慮した全長や作業効率と未臨界維持を考慮した内径、材質、蓋構造等の策定と、試験による健全性の実証が実施された。
2022年度までにユニット缶内に格納した燃料デブリから発生する水素量の現実的かつ合理的な予測法の検討、その予測法を用いた収納缶の蓋に設置される水素放出用ベント機構の検討が実施された。

解決すべき課題

ユニット缶や収納缶の取扱いは遠隔装置を用いて安全かつ確実に継続して実施される必要があるため、詳細設計の初期の段階で想定される作業のモックアップを行う。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ収納・移送・保管技術の開発(燃料デブリ収納缶の移送・保管に係る安全要件・仕様及び保管システムの検討、安全評価手法の開発及び安全性検証) [資料1] [資料2]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ収納・移送・保管技術の開発(粉状、スラリー・スラッジ状の燃料デブリ対応)

検討されている研究課題

特になし
④ 燃料デブリの収納缶による移送方法や保管方式を立てたい。

望ましい状態とその理由

水素発生や腐食の原因となる水分量を減らすことができる乾式保管が合理的であり、そのために燃料デブリの乾燥技術の確立が求められる。
遠隔操作を考慮した取扱装置設置場所である増設建屋等との取合いや実機での運用性を反映することが求められる。
収納缶に想定される温度、塩化物イオン濃度等の環境下で燃料デブリを安全に保管する必要がある。

理想に対する現状

2022年度までに、移送容器内の水素ガスの蓄積を考慮した安全な移送条件の設定が実施された。
2022年度までに、ユニット缶に格納した燃料デブリに対して適用可能で効率的な乾燥技術の開発、及びその技術を用いた乾燥システムの検討が実施された。
従来の検討対象であった粒状、塊状燃料デブリに加え、ガス管理システムや冷却水循環システムで回収されることが検討されている粉状、スラリー・スラッジ状の燃料デブリを安全、確実、合理的に保管するための方法、及び必要となる機器や設備の検討に着手している。

解決すべき課題

燃料デブリの性状に関する知見が限定的であることから、燃料デブリの性状を保守的に想定して機器・設備を設計することになるため、取り出し規模の更なる拡大時の収納・移送・保管のための設備、施設の設計では試験的取り出しや段階的に規模を拡大した取り出しにおいて収集・蓄積される水素発生量や燃料デブリ性状等の各種計測データや、構内移送容器の受け入れから一時保管までの作業における燃料デブリの取扱いに関する知見や経験を活用して合理化を進めることが必要である。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ収納・移送・保管技術の開発(燃料デブリ収納缶の移送・保管に係る安全要件・仕様及び保管システムの検討) [資料1] [資料2]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ収納・移送・保管技術の開発(燃料デブリの乾燥技術)

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

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