課題番号:SFP-101
段階:Preparation
廃炉プロセス使用済燃料プールからの燃料取り出し
検討対象現状把握
課題SFPの現状把握
ニーズ
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① SFPの現状を把握したい。
時間軸:使用済燃料プールからの燃料取り出し【短期】
望ましい状態とその理由
理想に対する現状
1号機
1 号機は、水素爆発により、オペフロ上に屋根板、建屋上部を構成していた鉄骨等の建築材及び天井クレーン等がガレキとして崩落している。住民の帰還が進む中、ダスト飛散リスクの更なる低減の観点から、1 号機のプール内燃料取り出しについては、オペフロ全体を大型カバーで覆い、カバー内においてガレキ撤去やプール内燃料取り出しを行う工法への変更が2019 年12 月に行われた。
大型カバー設置やその後のガレキ撤去作業の準備として、プール内の燃料へ影響を及ぼさないようにするための天井クレーンや燃料取扱機への支保の設置、使用済燃料プール養生等、ガレキ落下防止・緩和対策を2020 年11月に完了、干渉する既存の建屋カバー(残置部)の撤去を2021年6 月に完了した。
天井クレーンの撤去方法については、現時点では屋根スラブ下部の状況に関する情報が限られているため、スラブを除去後に詳細調査を行うこととなる。この結果によってはクレーン解体工程が遅延するリスクがあることから、調査や確認等の必要作業を抽出した上で作業手順等を立案し、調査が可能となった段階で速やかに天井クレーン等の調査を行い、リスクケースを含め安全評価、ガレキ撤去計画に反映すべきである。
2号機
2 号機は、1 号機と同様にダスト飛散リスクの更なる低減の観点から、オペフロ上部を解体せず、原子炉建屋南側に設置する燃料取り出し用構台からアクセスする工法が採用されている。
東京電力は、2020 年12 月に申請した燃料取扱設備等の実施計画の変更について、新耐震設計方針の適用等を巡る審査の状況と準備工事の進捗を踏まえて、燃料取り出し用構台等と燃料取扱設備に分割して2022 年3 月に補正申請を行った。このうち燃料取り出し用構台等については、2022 年4 月に認可を取得している。地盤改良を2022 年4 月に完了し、5 月に燃料取り出し用構台基礎マットの設置工事を開始した。
また、オペフロ内では、2021 年に実施したオペフロ内、ウェルプラグ上の線量調査結果を基に除染、ウェル上部等への遮へい体設置を行い、2022 年5 月に再度線量低減効果を確認した。引き続き燃料取り出しに向け既設の取扱設備の移動、更なる除染・遮へい等の準備作業を進めている。
線量低減に向け、既設の燃料取扱機の移動等の完了後の除染、遮へい体設置を実施しているが、除染後にオペフロ南側の開口部設置作業を実施予定であり、作業エリアが再度汚染するリスクがあるため、開口部設置時のダスト飛散対策を徹底すべきである。
3号機
3 号機は、2021 年2 月に全ての燃料の取り出しが完了しているが、使用済燃料プール内には、そのほかにも制御棒、チャンネルボックス、フィルタ等の高線量機器が保管されている。これらについては、冷却は不要だが、遮へいが必要であり、プール水が漏えいした場合にプール内の線源が露出する等のリスクが残っている。このため、今後はリスク低減の観点から、プール内燃料に続いてこれらの高線量機器の取り出しを進める必要がある。その際に、燃料取り出しやガレキ撤去に用いた装置等を活用することが効率的であるため、保管先の確保(3 号機については既設サイトバンカを予定)等の取り出しに向けた準備が整い次第、速やかに進めるべきである。その後は、プールの水抜きを行うことによってプールの水を管理対象から除外することができる。
5,6号機
5,6 号機は、1,2 号機の作業に影響を与えない範囲で燃料取り出し作業を実施する方針で進めており、まず、6 号機については、使用済燃料プールから共用プールへの移送を2022 年8 月に開始した。
解決すべき課題
各号機において使用済燃料の取り出し作業が進められており、大きな課題は存在しない。以降も、使用済燃料プールやオペレーションフロアの現状把握が継続的に行われることが予想されるが、作業員の被ばく低減に留意しつつ進める必要がある。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
検討されている研究課題
特になし