課題番号:デブリ-105
段階:Preparation
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象炉内状況把握
課題炉内状況の知見集約

ニーズ

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① 得られた知見を集約し、総合的に炉内状況を把握したい

望ましい状態とその理由

燃料デブリ取り出しの計画策定等を行うために、実機調査や実験・知見、事故進展解析等で得られた炉内状況に関する情報を集約し、号機毎の状態推定を高度化することが望まれる。
PCVRPVの内部はそのすべてを確認することができないことから、分析・解析評価等の技術を基に目視確認できない箇所の情報を推定することが望まれる。これらは、デブリの一部の取得と詳細な分析はもとより、客観データとの整合性に注意を払った評価が必要となる。技術力や人材を維持する観点でも、実験・解析等の研究を行うとともに、分析データや解析評価の内容を専門家間での意見交換等を通じて、予測精度を常に高度化していくことが重要である。
燃料デブリの取出し工法・工程管理、構造物の健全性評価などは、作業の効率化や安全性につながる課題である。そのため、それら廃炉工程を俯瞰する炉内状況把握(廃炉マネジメント)が重要となる。主に燃料デブリ取出し期からPCV/RPV/建屋の解体期にかけて、内部調査事故進展解析の結果を基に、炉内状況はアドホックに更新されていくものであり、廃炉工程にアウトプットしていくためのハブ(情報集約点)として機能する必要がある。

理想に対する現状

東京電力でRPV内部及びPCV内部の状態推定について継続的に実施され、2021年に「福島第一原子力発電所事故発生後の原子炉圧力容器内・格納容器内の状態推定について」でその成果が整理されている。一方で推定を裏付ける情報が十分に収集されているとは言えない。

解決すべき課題

デブリ101~デブリ104に掲げた燃料デブリやFP、PCV・RPV内部の構造物の状態等に係る情報を、燃料デブリ取り出し工法やシステム設計に役立てることを目的として集約していくことが今後の課題である。
特に、廃炉・汚染水対策事業における燃料デブリの特性把握の成果として取りまとめられている「特性リスト」や、廃炉・汚染水対策事業「総合的な炉内状況把握の高度化」事業で作成された「炉内の状況推定図」、そして今後、燃料デブリの取り出し等により取得される燃料デブリ等の分析・評価結果を統合していく必要がある。
今後も継続的に情報は集約され、その量は膨大になっていくことから、効率的かつ効果的なデータ管理方法を検討する必要がある。

参考文献

(参考)関連する研究課題

実施されている研究課題

廃炉・汚染水対策事業総合的な炉内状況把握の高度化(炉内状況の総合的な分析・評価) [資料1] [資料2]
廃炉・汚染水対策事業福島第一原子力発電所廃止措置統合管理のための支援技術の開発(原子炉格納容器内の連続的な監視システムの開発)
R3年度英知福島第一発電所2,3 号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握

検討されている研究課題

特になし

関連する課題

資料

関連サイト