課題番号:デブリ-101
段階:Preparation
廃炉プロセス燃料デブリ取り出し
検討対象炉内状況把握
課題燃料デブリの状況把握
ニーズ
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① 燃料デブリの位置情報を把握したい
望ましい状態とその理由
理想に対する現状
【1号機】
圧力容器内部にはほぼなく、ほとんどは格納容器内に溶け落ちていることがわかっている。これまでには、格納容器内部(ペデスタル外、1階グレーチング上、地下1階)の調査が実施されている。比較的デブリの状況に関する情報が不足しているのが1号機である。
2022年に実施されたPCV内部調査において、ペデスタル外の調査ポイント全てにおいて、熱中性子束及び Eu-154 が検出され、 それらの数値については、ペデスタル開口部からの距離と堆積物の高さとの相関は確認されなかったことから、燃料デブリから遊離した物質(燃料デブリ由来の物質)が調査範囲に広く存在していると推定されることが分かった。
【2号機】
圧力容器底部に多くあるが、格納容器内には少ないことがわかっている。これまでには格納容器内部(ペデスタル内、ペデスタル外)の調査が実施されている。比較的情報が充実しているのが2号機である。
【3号機】
圧力容器内には少ないが、格納容器内にはある程度存在することがわかっている。これまでに格納容器内部(ペデスタル内、ペデスタル外)の調査が実施されており、燃料デブリのペデスタル外への流出は否定できないという調査結果である。
解決すべき課題
【1号機】
既存の調査内容の精緻化に加え、ペデスタル内部及び圧力容器内部の燃料デブリの位置情報に関する情報の新規取得が今後の課題である。既存の調査内容の精緻化では特に、堆積物の厚さを把握し、PCV底部に広がり、堆積物の下に隠れている燃料デブリの存在範囲を確認することが重要となる。
【2号機】
既存の情報の更なる精緻化と、圧力容器内部の燃料デブリの位置情報に関する情報の新規取得が今後の課題である。
【3号機】
未調査部分である圧力容器内に加え、ペデスタル外の燃料デブリの位置情報は引き続き情報の更新が必要となる。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
廃炉・汚染水対策事業原子炉圧力容器内部調査技術の開発(調査計画・開発計画の立案・更新、上部から炉心にアクセスする装置の開発、炉心部までの調査方式の開発、選定、調査装置全体システムの設計と工法計画) [資料1] [資料2]
廃炉・汚染水対策事業原子炉格納容器内部詳細調査技術の開発(調査計画・開発計画の策定、アクセス・調査装置及び要素技術の開発) [資料1] [資料2]
R2年度英知β、γ、X線同時解析による迅速・高感度放射性核種分析法の開発
R2年度英知無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発
廃炉・汚染水対策事業原子炉格納容器内部詳細調査技術の開発
H30年度英知炉心溶融物の粘性及び表面張力同時測定技術の開発
R3年度英知燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データーベスの高度化
R3年度英知燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御
検討されている研究課題
特になし
② 燃料デブリの性状(各工程での状態予測等含む)を把握したい
望ましい状態とその理由
燃料デブリの性状に関する情報は、事故原因の解明や炉内状況の推定を高度化するために活用され、そして燃料デブリの取り出し工法の設計・燃料デブリの取り出し作業、安全な輸送・保管・管理、そして処理・処分の検討に活用されることが望まれる。
燃料デブリの性状に関する情報を取得するための方法論としては主に解析、実機における調査、そして実験の3つが想定される。
燃料デブリの取り出し工法の設計・燃料デブリの取り出し作業に反映するためには、燃料デブリ表面線量、燃料デブリの機械的特性、組織の状態(気孔率等)、MCCI生成物の特性、加工性、取り出し時のダスト発生挙動、デブリの経年変化挙動に係る情報を把握できていることが望まれる。この際、燃料デブリの位置として、RPV、CRDハウジング、ペデスタル内、ペデスタル外があるため、それぞれの状態同定ができることが望ましい。
燃料デブリの安全な輸送・保管・管理のためには、燃料デブリの組成や鉱物相、特性情報、デブリの経年変化挙動に係る情報を把握できていることが望ましい。経年変化挙動に関しては、経年変化のメカニズムを解明し、将来の変化を予測できる手法の検討により事前策を施せることが望ましい。(例えば、燃料デブリの経年変化予測のための放射線・生物・化学・物理的溶解機構評価)。
理想に対する現状
これまでは内部調査による目視確認や堆積物等の採取、そして解析による推定、模擬デブリを活用した実験結果を基に燃料デブリの性状を推定してきた。
燃料デブリ取り出しの初期段階においては、採取できる燃料デブリは非常に限られていることから、限られた燃料デブリを用いて、位置や深さが異なる燃料デブリの性状を予測することも必要となる。そのための燃料デブリの分析項目・分析フローを設定することも必要となる。
2022年2月から実施されているPCV内部調査において、堆積物のサンプリングも成功しており、今後分析が実施される予定である。
具体的な燃料デブリの測定・分析項目に関しては【共-3 測定・分析技術】を参照されたい。
解決すべき課題
今後は、実機による更なる調査や、実際の燃料デブリ取り出しにより得られる燃料デブリの分析結果を用いて、解析による推定結果を補正し、実験等によりその再現性が確認できることが望まれる。
参考文献
(参考)関連する研究課題
実施されている研究課題
H29年度英知可搬型加速器X線源・中性子源によるその場燃料デブリ元素分析および地球統計学手法を用いた迅速な燃料デブリ性状分布の推定手法の開発
R1年度英知放射線・化学生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣機構解明
廃炉・汚染水対策事業総合的な炉内状況把握の高度化(炉内状況の総合的な分析・評価、総合的な分析・評価に資する燃料デブリの挙動や核分裂生成物の挙動及び特性の推定・評価) [資料1] [資料2]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ・炉内構造物の取り出しに向けたサンプリング技術の開発(燃料デブリサンプリング技術の開発計画、サンプリング計画の策定、PCV内燃料デブリサンプリングのための装置、システムの開発) [資料]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ性状把握・分析技術の開発(燃料デブリ性状の分析に必要な技術開発等、燃料デブリ微粒子挙動の推定技術の開発) [資料1] [資料2]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリ性状把握・分析技術の開発(燃料デブリの経年変化特性の推定)(海外の事故炉における燃料デブリの特性調査及び燃料デブリ取り出しシステムへの影響調査と、これらを踏まえた研究計画立案、燃料デブリの経年変化及び移行挙動に関するデータ取得) [資料]
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの経年変化特性の推定技術の開発)(福島第一原子力発電所の燃料デブリにおける総合的な経年変化予測) [資料]
R2年度英知燃料デブリにおける特性の経年変化と環境劣化割れの調査
R2年度英知β、γ、X線同時解析による迅速・高感度放射性核種分析法の開発
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度の向上及び熱挙動の推定のための技術開発)
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発
廃炉・汚染水対策事業燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの経年変化特性の推定技術の開発)
R3年度英知燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データーベスの高度化
R3年度英知世界初の同位体分析装置による少量燃料デブリの性状把握分析手法の確立
R3年度英知燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御
R3年度英知福島第一発電所2,3 号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握
検討されている研究課題
特になし